今回私が派遣されているのは、JICA海外協力隊の100を超える職種のうち、「コンピュータ技術」というものになります。2024年6月現在、春募集が行われていて、コンピュータ技術には58件の要請が世界各国から上がっています。
今日はこの職種の紹介と、任地に入って4ヶ月が経とうとしている現時点の様子を書いてみたいと思います。
Profession:コンピュータ技術
コンピュータという字面も古く感じなくはないのですが、文字通りコンピュータ技術が主なる専門性となる職種で、1)技術を教える先生のような仕事、2)技術を使ったシステム開発を行う仕事、3)コンピュータを含むICTインフラの運用や整備を行う仕事というように、大きく3つのパターンがあります。
また要請は、そのどれかが主になりつつも、いろいろやる必要があり、授業も持ちつつインフラ整備もするとか、運用の改善を行いながら、その中で開発を行うようなこともあります。2)や3)は、一緒に仕事をしながら、その技術を教えるというか移転することが大きな目的になるかと思います。
JICAの世界日記というサイトで隊員がBlogを書いているのですが、コンピュータ技術の隊員も書いていて、いろいろなタイプの仕事をされているのがわかります。
https://world-diary.jica.go.jp/blog/?work=コンピュータ技術#resultsArea
私の要請は、ざっくりいうと「新規システムの構築を含むICTインフラのオペレーション改善を支援する」というもので、3)のタイプになります。
Activity:活動の状況
私は、職業人を目指す学生が専門の課程で学んでいるカレッジで、ICT Supportという部署に所属し、いまはICTインフラの運用管理を中心に取り組みを行っています。
着任した2月の終わり頃は、「カレッジ全域で学生や先生がWiFiを利用できるようにする」というプロジェクトの大詰めで、同僚は毎日立ち会いなどでカレッジ内を歩き回っていました。私も何度か受入検査に立ち会い、その時におおよそカレッジ内の施設や管理しているネットワーク機器の所在などを把握することができました。
最初のひと月は、インフラの構成や問い合わせ対応の仕方をそれぞれ教わりながら、資料化した方がいいものをまとめたり、課題に感じたことをまとめたりしていました。属人化していると感じることも多々あり、最初のチームミーティングでは、それまでに見ていて気になった点とアクションのアイデアを説明しました。
その多くは同じ認識であり、プロジェクトが進行中のものもありましたが、どれもまだ手をつけただけのような状況でした。
管理番号の振られた機器の台帳に、おととし導入されたPCが登録できていないので全数を現物確認することになり、一台一台回るのならとスクリプトを書いてみたり、ネットワーク障害の切り分けがしやすいよう監視ツールを導入してみたりしながら、同僚やインターンのメンバーと関係作りをしてきました。
オフィスが個室というのも働き始めてから初めてのことで、定例ミーティングもなく、そして英語で仕事をするのも初めてのこと。コミュニケーションをとるのが大変なところからのスタートでしたが、一緒に何かやるようにすると、少しづつ相手のこともわかるようになってきました。
Plan:これからのこと
つい「いろいろ前提が違う」とか「コントロールできないことかもしれない」とか考えてしまうのですが、それって思い込みだし、会話の機会を積極的に作って、同僚が思っていることをもっと深く知りたいと思います。そして、一緒に課題を定義し解決していく中で、ICTを現場の中で効果的に使っていくということを考えていけたらと思います。
せっかく日本から来ているのだから、合わせてもらう必要はないにしろ、日本の現場のことも紹介しながら現場の課題について話し合ったりできたらと思いました。それで視点を増やせて気づきや改善のアイデアが出てくるかもしれない。
さまざまなデータを統合して扱えるシステムの構築も要請の内容に含まれてるのですが、データとして扱える状態になっているものもあればそうでないものも多くありそうです。業務全体からの視点で抜け漏れなく業務をみた上で、優先順位をつけてもらって取り組んでいく必要があると思うし、そうした考え方も紹介したり、ディスカッションしたいと思います。
海外協力隊の活動として、何ができるだろうかというのはちょくちょく頭の中を巡ります。でもフォーカスすべきは、要請された所属先での活動であり、2年間で居なくなっても、その後に繋がるものができていれば理想だなと思います。広報的な活動や隊員間の交流もしたいですが、今は所属先での計画づくりと関係性の構築に集中。「余力があれば」と言ってたらできなそうなので、余力も作っていきたい!
小さくても、ちゃんと続く改善を、一つでも多く残せたら。やっぱりそこに戻るんだなと思っています。
なんだかとりとめのない書き物になってしまいましたが、またしばらくしたら続きを書きたいと思います。それと小さくちょこちょこ書くことですかね。
ではまた。
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